定年後、夫婦でどう過ごしますか?

定年後の生活を、ユーミンの曲を聴きながら夫婦で考えてみてはいかが?

懐かしのあの映画

RAILWAYS

『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(レイルウェイズ あいをつたえられないおとなたちへ)は、2011年12月3日に全国公開された映画です。富山地方鉄道運転士のドラマを描いた、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』に続くRAILWAYSシリーズ第2弾です。第一作と同様に、地方鉄道を焦点にしています。今回の舞台は富山県で、雄大な北アルプスの立山連峰を望む富山地方鉄道を舞台に、全編富山ロケが敢行されました。

映画のあらすじ

主人公の電車の運転士・滝島 徹(三浦友和)は入社してから42年。あと一ヶ月で定年を迎える59歳の主人公です。35年間、無事故無違反で乗務してきました。滝島徹は、毎日いつも同じように乗務を行います。そして、いつものように帰宅します。そんな夫のために、妻である佐和子(余貴美子)は毎日、お弁当を作り続けていました。そんな佐和子は55歳で専業主婦。定年を控えた徹は、定年後にゆっくりのんびりと旅行でも行こうか?!と計画を立てています。定年後はゆっくりとした時間を夫婦で過ごそうと考え、パンフレットを見せて自分の計画を言いますが、妻の佐和子は違いました。

佐和子は徹と結婚する前は、看護師として働いていたこともあり、もう一度、看護の仕事に就きたいと徹に切り出します。そして、在宅緩和ケアセンターのパンフレットを見せ、ここで働くことに決めたと言い始めるのでした。

当然ながら、徹は佐和子に対して「いったい何が不満なんだ!!!」と一人怒り始めます。妻のため、子どものために十分に働いてきた。家族のために一生懸命に働いてきたというのに、いったい何が不満なんだ!と。(熟年夫婦の口論のパターンです)妻は、それは飼い殺しも同然とさらりと言ってのけます。当然ながら夫婦は口論になります。夫は妻に対して、家族のために頑張ってきたという自負もあり感謝してもらって当たり前。あろうことか、自分の計画に対して反論するなんて考えられるはずもありません。妻の佐和子は、夫が定年を迎えることで、ようやく夫の帰りを待ち続ける生活から解放され、家に居て家を守ることからの解放が定年であり、自分のやりたいことをやれる。自分のやりたいことをやってみたい!という気持ちがあふれ出ています。そんな妻の気持ちが当然ながら理解できません。 

佐和子は、佐和子自身の母をガンで亡くしていますが、その時に介護が思うようにできなかったという後悔もありました。そして佐和子自身が夫には明かしていない秘密もありました。そして、自分がしたい仕事をする。これだけは、絶対に譲れない。今まで専業妻として、夫を支え家庭を守ってきただけに、ようやく自分のやりたいことができる時期が来たから自分のやりたいことは貫き通すという強い気持ちがありました。そして、口論の末に佐和子は家を飛び出したのでした。(佐和子は母の介護に自分がガン検査でひっかかったことが、自分自身の死について考えるきっかけになり、彼女の出した結論は残りの人生を自分の生きがいを求めて生きてみたいと思うことですが、自身がガン検査にひっかかった事は打ち明けていません)

行方が分からなくなった妻を徹は探します。翌朝、身重な娘の麻衣(小池栄子)に朝っぱらから電話をしますが、頑固おやじのため佐和子が家を出て行ってどこに行ったのか探していると言い出すことはできません。娘の後に続いて、その夫の光太(塚本高史)にも電話をします。でも両者ともどちらも佐和子から連絡をもらってはいなせんでした。

そして徹は結局、連絡が取れないまま出社します。いつも必ず弁当を持って出社している徹は、珍しく弁当がないので、同僚たちには気付かれないようにして、ごまかすのでした。そんな徹に、入院した同僚の代わりに、新人の小田(中尾明慶)の研修指導を頼まれてしまいます。チャランポランな楠木(中川家礼二)に、新人研修を任せるわけにも行かないため、徹は仕方なく引き受けることになりました。

職場の新人研修でも、相変わらず、具体的に何かを説明したりはしません。ただ小田の様子を静かにじっと見つめているだけです。饒舌な小田が運転中に徹にいろいろと話しかけても、私語厳禁だと一喝して、「お前はこの仕事に向いていない」とひと言述べるのみです。家の中でも無骨な男。妻に対しても自分の気持ちを上手に語ることができない男は、職場においても無骨で多くを語ることはないのです。厳しい言葉をぶっきらぼうにぶつけるのですが、その言葉の中には彼なりの優しさが隠れていることに少しずつ小田も気づいていきます。最初は小田も、徹の言葉をそのまま受け止め、自分には見込みがないんだなあ~と思いますが、徹と毎日を過ごしているうちに、彼のぶっきらぼうながら出されるその言葉の意味を、いろいろと考え始めるのでした。

不器用なりにうまく立ち回るのではなく、徹はどんどん意固地になり頑固が加速されていく様子はまさに昭和の頑固おやじそのものです。徹も本心では、最後まで妻と連れ添って行きたいと思っているのに、妻の頑な言葉に「それなら勝手にしろ!!」とか、本心では思っていないことをぶつけてしまいます。ドンドン自分の願わぬ方向へと進んで行く、愚直なところや職場でも新人の社員に対して、言葉少なく厳しい姿勢を見せるという姿は、日本人のイメージするところの昭和のおやじです。頑固で融通が利かない。そして素直になれない。決して迎合することなく、媚びるところがない姿は頑固おやじとしての存在を見事に描き出しています。

結局、徹は妻の佐和子の行方が分からぬままでしたが、母と携帯で連絡を取った麻衣(小池栄子)は、介護師として再出発を切ろうとしている佐和子をどうして応援してくれないのか?!と、実家を訪ねます。そして父親のて徹を責めます。娘の気持ちとしてみたら、同じ女性として今まで家のことを頑張ってきた母親に、自分のやりたい道へ進んでもらいたいという気持ちも理解できます。そして、もうすぐ両親にとっては孫となる子供の出産も控えているだけに、両親が離婚ということは避けたいという気持ちもあります。「家のことは誰がやるんだ!!」と、どんどん意固地になる父親に対して、母親の気持ちを理解してあげて欲しいとお願いいいながら、一種の攻撃をするのですが、頑固な父親はますます頑なになるのでした。

家を出た佐和子は、アパートを借りてそこに仮住まいしています。ケアセンターで医師の冴木(西村雅彦)の指示通り、患者だけではなく、介護に戸惑う家族の力にもなろうと懸命に立ち向かっているのでした。そして、佐和子が担当することになったのは、末期ガンの女性である井上信子(吉行和子)でした。彼女は、病院のベッドに縛り付けられて病院で最後の時を迎える余生を過ごすのではなく、家で大事な家族に囲まれて過ごすことを希望しています。患者本人が、家で過ごすことを希望しても、在宅介護をするということはなかなか難しいものがあります。佐和子はそんな井上家の支えになろうと試みるのですが、信子に自分と亡くなった実母を重ねているだけじゃないのか?と最初不信感を示されます。しかし、佐和子の熱意に、患者である信子も次第に心を開いていくのでした。

やがて、徹は佐和子が定期健診で良性ではありますが、ガンが見つかっていたことを光太(塚本高史)のポロリとこぼしたことで、ガンがあったことを知ってしまいます。そのことで、徹の心に心境の変化が生まれ、少し歩み寄らねば・・という気持ちが生まれます。

かつての上司の吉原(米倉斉加年)と同僚の島村(岩松 了)と定年祝いに温泉旅行に出かけます。そこで徹は会社に嘱託社員として残る道や再就職については考えていないことを明かすのでした。それは、徹の気持ちに長い間ずっと支えてくれた妻との時間を、定年後は大事にしたいという気持ちからでした。自分はそう思っていたのに、妻は自分のやりたいことがる。違う人生を歩みたいと決心していたことを知り、自分のこの気持ちはいったいなんだったのだ。と思い、妻のガンのことなどを知ったことで応援してあげたい気持ちも出てきているけど、一度言い出してしまっことをひっこめることは出来ないという葛藤。

ある日、ひょっこり佐和子(余貴美子)が自宅に「ただいま~!」帰ってきます。そして、徹は仕事をやりたければ、すればいいと理解を示す言葉を吐くのです。徹の考え中で佐和子が少し働けば、気が済んで戻ってくるだろうという考えからでした。しかし、佐和子の気持ちは変わるものではありませでした。「この仕事はずっと続けるつもりだから・・」と言います。一歩も譲らない妻の姿に、徹が出た言葉は「だったら、出て行け!!」妻の姿に、またまた怒ってしまう姿は頑固で堅物な夫です。こうなってしまうと、夫婦ともに意地の張り合いみたいになってしまいます。そして、佐和子も離婚届を置いて出て行ってしまうのでした。

離婚届を突きつけたけれども、それが佐和子の本心ということではありません。ふとした時に、やっぱり、お互いのことを思い出します。佐和子は、遠くから乗務についている徹の姿を見つめ、徹は秘かに病院で佐和子の働き振りを患者に紛れて見に行ったりしています。

そんなある日、落雷によって送電線が遮断されます。電車の運行が不能になったときに、たまたま乗客にいた末期がん患者の信子が苦しみ始めます。すぐに救急車を手配しますが、運行が不能になった場所が場所なだけに、運行を再開して隣り駅で待っててもらうしか取れる方法がありませんでした。そんな時に、佐和子は斜面を登る危険を冒してまでも、信子の傍にいようとします。必死な姿の佐和子の手を引き上げた時に、徹は妻の「本気」をやっと初めて知るのでした。

翌日、徹は市役所へ離婚届を提出します。そして離婚届を出したことを佐和子に告げるのでした・・・

ロケ地と一緒に楽しもう

鉄道ファンには必見の、地方鉄道が舞台です。そして、キャッチコピーには「人生は鉄道に乗った長い旅・・・夫婦の絆を描く」ともあります。主人公の滝島徹(三浦友和)が運転手として乗務するのは、富山地方鉄道です。電車ファンには、綺麗な富山の風景と一緒に地方鉄道の走る姿は、とても心洗われる風景です。

そして、鉄道ファンで有名な中川家の礼二もこの映画に出演しています。中川家礼二のコメントでは「鉄道会社に就職したかったくらいなので、ほんまに嬉しかった」と言っています。そして、この映画で運転士を演じたことについては「制服を着れて感無量でしたよね。しかも富山地方鉄道の駅は情緒があっていいんですよ。だから撮影の合間も、制服姿でしょっちゅうウロウロしてました。そしたらおばちゃんにホームの場所を訊かれてね。普通に駅員として答えてしまいましたわ(笑)」

地方の良さを改めて、映画と一緒に再認識してみましょう~♪

ロケ地

2013 定年後、夫婦でどう過ごしますか?